施主さんがビニールクロスの数量を測る事はまず無いと思います。
『プロが採寸したのだから、どの業者の見積書もm数は一緒でしょ?』
ハイ、正論です!
ですが・・・現実は少し違います(苦笑)
そうです、残念ながら業者(人)によって、クロスの測り方が違う為『m数が異なる』事があるんです。
ビニールクロスは ㎡(平米)では無く、m(メーター)で計算するのが一般的だと思うのですが、ごく一部の業者さんは㎡で出したりします。
私は27年リフォーム業に携わってましたが、残念ながらクロス工事の見積りを㎡(平米)数で表記して、クロス屋さんにはm(メーター)数で発注するという『ややこしい術』は知らないです。勉強不足ですね(笑)
なので単位は『m(メーター)』で説明しますm(__)m
後ほど出てくるサンプルの「6帖洋室」1部屋程度なら殆どバラツキはありませんが、家一軒分となると大きな差になる事が稀にですがあります。
逆に言えば家一軒分のクロスを現地で採寸して、複数の業者のm数が全部ピッタリ『ビンゴ』する事は『なかなかありません』(苦笑)
特にマンションなどは「柱」や「梁(はり)」が複雑に絡んでいますし、一戸建ならば「階段周り」の採寸などは経験が豊かでないと正確な採寸は出来ません。
業者側としては見積書のm数よりも実施工のm数が多ければ『損』しますし、実際に貼ったm数より見積書のm数の方が多ければ『徳』するわけです。
例えば。一般的なマンションの3LDKでビニールクロスの貼り換え工事。
量産クロスの無地柄(単価は分かり易いように¥1000/mにしています)
A社の見積書
B社の見積書
A社・B社共に単価は¥1,000/mです
A社は部屋別にm数を出してますが、総m数は出ていません。m数を合計すると「257m」×¥1,000で『¥257,000』です。
B社は総数でm数を出してますので「230m」×¥1,000で『¥230,000』です。
どちらの数量が正しいのかは別として「総m数」で1割の差が出て、同じ単価でも金額に1割以上の差が出ています。
この数量チェックは施主さん自身がしない限り絶対にわかりません。
単価が違ったりするのは、それぞれ業者の都合もありますが『数量』があまりに違うのは如何なもんでしょう?(苦笑)
個人的には5%程度の誤差は許容範囲だと思いますが、ロスと称して2割くらい数量を増している「いいかげんな業者」も稀に存在するのは確かです。
※業者によっては社内マニュアルで『6帖は45m』『12帖のリビングならば90m』などと床面積で簡易積算する業者もあるそうです。
なので実際お客さんが1社しか見積もりをしていないと、数量はその業者を信じるしか有りません。しかし実際は大きく違うかもしれません(ごまかす業者は稀ですが・・・)
よってやはり相見積もりは必須であり、単価を比べるだけでなく数量などの細かいチェックは必ずした方が良いのです。
そこで簡単なクロスの採寸方法を記載してみますので、実際に測る事はなくても「なんとなく」でも見ていれば、何かの役に立つ事もあるかもしれません(笑)
また自分で「糊付きのクロス」などでDIYするときは下記の計算方法を参考にしてもらえれば良いかと思います。
SAMPLEモデル(A)6帖洋室
ドア1・掃き出し窓1・クローゼット1
一般的な江戸間 内寸法で3520mm×2640mm×天井高2400mm
※クロスの有効幅は判りやすく『900mm』 を『1幅』とします。
※クロスの種類はロスの出ない『無地柄』とします。
①番の位置から時計回りで採寸してみます。
天井高が「2400mm」なので『上下の切りシロ』を1幅につき 50mm+50mm=100mm を加えて計算します。
以上より
壁クロス 29000mm=『29m』、天井クロス 10860mm=『11m』
合計 『40m』となります(図面上)
実際は『梁(はり)』などが絡んできますので、実際の数量とは少し違うと思いますが、現場でしっかり採寸すればそんなに大きい誤差は出無いはずです。
SAMPLEモデル(B)約12帖リビング
ドア1・掃き出し窓1・クローゼット1
内寸法で5500mm×3800mm×天井高2400mm
※クロスの有効幅は判りやすく『900mm』 を『1幅』とします。
※クロスの種類はロスの出ない『無地柄』とします。
TVの後ろの壁は『アクセントクロス(無地柄)』とします
①番の位置から時計回りで採寸してみます。
天井高が「2400mm」なので『上下の切りシロ』を1幅につき 50mm+50mm=100mm を加えて計算します。
以上より
壁クロス(アクセントクロス以外) 35900mm=『36m』
壁クロス(アクセントクロス)12500=『13m』
天井クロス 28000mm=『28m』
合計 『77m』となります(図面上)
実際は『梁(はり)』などが絡んできますので、実際の数量とは少し違うと思いますが、現場でしっかり採寸すればそんなに大きい誤差は出無いはずです。
「 業者を疑いましょう!」とは元業者としては言いませんが「いいかげんな業者」は、しっかりチェックして、早々にお引き取り願いましょう!と言いたい訳です(笑)
リフォーム工事は業者と施主さんがお互い信用して成り立つ仕事です。その見極めのためにもしっかり相見積もりを取って、納得できるリフォームをして下さいね。最近は複数社と一括で紹介してくれるサービスもありますので、どんどん利用しましょう。
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最後まで読んで頂きありがとうございました m(__)m
この記事が少しでも参考になれば幸いです・・・