昨今「壁紙」と言えば「紙」ではなく「ビニール」クロスになります。
一昔前は「布クロス」と言うものが一般的だったのですが、今では90%以上が「ビニールクロス」になっているそうです。
私の27年のキャリアでも「布クロス」を依頼されたのはたった数回、「紙クロス」に至っては、残念ながら一度も有りませんので、ここは「ビニールクロス」について書いていきます(以下、ビニールクロス=クロス)
そしてこのクロスの柄選びって結構大変です(汗)
3割の方は業者のオススメ品番で「じゃ、ソレで!」ってスンナリなのですが、7割の方は悩みに悩みます(笑)
男性はハナっからあまり興味がない方が多いですし『自分が決めて変な感じになったら、後でで文句を言われるから…』という理由で、女性陣にお任せって方が多いです(笑)
なので大丈夫!7割の方が五里霧中です(笑)納得するまで悩みに悩んで下さい。。。
もし、どうしても「決められない!」となればショールームに出向くのも一つの手ですが、残念ながらクロスメーカーのショールームは大きめの都市にしかないのが現状です。。。
ではどうするか??
メーカー〇〇〇〇の品番○○が良いですよ!!とアドバイスできれば楽なのですが、こればかりは『服選び』や『髪型』と同じで趣味嗜好が強い…
インテリアコーディネーターやプランナーがいる会社なら、少し背中を押してもらえば決めやすいのでしょうが、大掛かりなリフォームやリノベーションじゃない限り担当の営業マンや現場管理者との打ち合わせで決めるのが普通の流れでしょう。。。
その場合は無理に1つに決めるのではなく、3〜5つ位の候補を選んで担当者にアドバイスを貰いましょう。新築ならば何を選んでも綺麗に仕上がりますが、リフォームでは使って「綺麗に仕上がるモノ」と「そうでないモノ」が存在します・・・
これを間違えると貼り終わった時に必ず後悔します(泣)
では、以上を踏まえて以下の事を確認してみましょう。
見積書のクロス項目や仕様の部分は何て書いてますか?
クロスの種類は大きく分けて3種あります。
見積書の記載はどんな種類になってますか?一般的には施主さんから指定がない限り「量産クロス(普及品クロス)」か「1000番クロス」となってるはずです。
①「量産クロス」「普及品クロス」「スタンダードクロス」無難な無地が多く、色モノ・柄モノの選択肢が少ない。
②「1000番クロス」量産クロスよりも無地・色モノ・柄モノが共に充実している。
③「機能クロス」「ハイグレードクロス」(汚れ防止や・消臭機能などが付帯している)
(金額的には、安価 ①<②<③ 高価の順になります)
①の「量産クロス」「スタンダードクロス」の見本帳は、A4の半分程の小さめです。
一方、②③の「1000番台」「機能クロス」「ハイグレードクロス」の見本帳はA4の倍ほどサイズです。
値段が上がると見本帳の大きさも倍にUPです(笑)
メーカー別だと
メーカー ①安価 → → ②③高価
サンゲツ・・・SP・・・・・・・ファイン1000 等
リリカラ・・・BASE・・・・・・プレミア 等
トキワ・・・・パインブルS・・・パインブル 等
シンコール・・SLプラス・・・・ビッグエース 等
その他のメーカーとしては「ルノン」や「東リ」が有名どころです。
この他にも多くのシリーズの「クロス」がありますが、国産メーカーの「クロス」なら、全てJIS規格の基準値をクリアし、基本性能の「防カビ」「シックハウス対策」「準不燃・難燃」に対応してますので、例え安価の「量産クロス」であっても使用に何の問題もありません。
リフォームで選んではいけないクロスとは?
一般的には無地クロスの「織物調」や「石目調」を選ぶ事が多いと思います。
そして文字で表現するのは難しいのですが、選んではいけないクロスとは、実物サンプリを指でつまんでみてなんとなく「薄い」「のっぺりしてる」「ツルツルしてる」クロスの事を指します。
例)写真ではわかりにくいですが、左が右よりも「薄く」「のっぺりした」クロスです。
クロスというのは古いクロスをめくった時に、全てめくれずに裏紙が残る様に出来ています。(シールを剥がすと白い裏紙が残るアノ感じです)その裏紙が全て綺麗に残れば下地の凸凹があまり出ないので綺麗な下地となるのですが、10年以上貼替えしてないクロスや、逆に何度も何度も貼り替えをしてるクロスの場合、裏紙が剥がれたり剥がれなかったりしてして「裏紙のむら」が多い状態になり、これが下地の凸凹として次のクロスの仕上がりに影響するのです。
下地が悪く凸凹の場合は、新しいクロスの厚みではごまかし切れず(隠しきれず)に綺麗に仕上がらなかったり、ジョイント(クロスの継ぎ目)が目立ってしまうリスクが高くなります。
クロス職人さんは下地処理(パテ処理等)をしてから施工しますが、どうしても薄手の物は厚手の物よりも凸凹を拾い易くなり、光の当たり具合や角度によっては目立つ事があります。(注:厚手を選んでも下地が酷ければ凸凹は目立ちます)
しかし下地の凸凹を気にしすぎて、あまりに「ぶ厚い・ボコボコした」クロスを選ぶと、下地は目立ちにくいですが仕上りが少し野暮ったい感じになったりしますので、程よい加減の商品を担当者にアドバイスしてもらいましょう。
逆に間取りの変更などで「新しく造った間仕切り壁」や「下地を貼り直した天井」などは下地が新築と同じ新品(良い状態)なので、何を貼ってもいいとなりますので、選択肢はグンと増えます。
「量産」と「1000番台」だと、金額的にはどれくらい変わるの?
概算単価として、「量産クロス・スタンダード」で 800〜1000円/m 程度、「1000番・機能クロス」で 1200〜1800円程度として積算してみましょう。
モデル例)標準的な3LDKマンションで、クロスのm数が250mとしてみます。
注)クロスは『m:メーター』で計算しています、ごく稀ですが『㎥:平米』で積算する業者もあります。
・全て「量産クロス・スタンダードクロス」(無地)の場合、
・250m×800円(1,000円)= 20万(25万)ほど。
・全て「1000番・機能クロス」(無地)の場合、
・250m×1,200円(1,800円)= 30万(45万)ほど。
あまり実現的ではないですが、全て「1000番・機能クロス」で柄クロス(柄合わせが必要なクロス)なら、10〜15%の材料ロス率で計算すると…
・全て「1000番・機能クロス」(柄モノ)の場合、
・250m×10%(15%)×1200円(1800円)=33万(51万)ほど。
m単価ですと数百円の差ですが、一軒分となるとクロス工事だけでも非常に大きい金額差になります。
ですから予算を少しオーバーしそうな時は、積極的に量産クロスを使うことをオススメします。
また、クロスを貼る量が10mや20mと少ない場合は、職人さんの日当が出ない事がある為「割高単価」になったり「一式」計算になったりします。
最近の流行りは「アクセントクロス」
一昔前はリビング・ダイニング・廊下は無難な白系の無地クロス、洗面所・トイレも無地系で統一する『ホテルライク』的なコーディネイトが主流でしたが。、最近は『ホテルライク+アクセントクロス』が流行っています。
下の写真の様に全体を白系無地クロスでまとめ、一部の壁に「アクセントクロス」で変化をつけるパターンですね。
壁全部を色物や柄物にすると相当うるさい感じになりますが、一面の壁だけアクセントとして貼る事によって、モダンな雰囲気になりオサレになりますよ(笑)
「アクセントクロス」の使いどころは?
全体的には無地クロスをセレクトして…
LDK・・・テレビの後ろ側や、壁の一面などを1000番のアクセントクロス
洋室(寝室・子供部屋)・・・壁の一面のみ1000番のアクセントクロス
トイレ・洗面所・・・壁の一面のみ1000番のアクセントクロス、または消臭機能付きなど。
これは余談ですが、機能クロスで「消臭機能クロス」の「消臭効果」の期待を込めてセレクトする場合などは、一度一般クロスとの差額を出してもらい、どれくらいの金額差か確認してみましょう。そしてもし差額で空気清浄機が買える金額であれば、そちらを買う方が「消臭」に関しては間違いく良い様な気がします(笑)
また最近は通販大手の『amazon』さんもリフォーム業に参戦しています、相見積りの一つとして選択肢に入れてみてはどうでしょう。メールのやり取りで概算でも見積りが出る気軽さは魅力です。